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[開催報告] ウィズコロナ時代のMICEを考えるin名古屋

新たな日本のMICEショーケース「ウィズコロナ時代のMICEを考えるin名古屋」を開催いたしました。

7月22日(水)、名古屋国際会議場とオンラインにおいて、「ウィズ・コロナ時代のMICEを考える in 名古屋」を開催しました。
 このイベントは、新型コロナウィルス感染症の拡大による影響に対応し、できるだけ早期にMICEの回復を図るために、課題の共有やアイデア交換を図る場として企画したもので、日本コンベンション研究会が主催する「全国リレーMICEフューチャーアクション」事業に連動し、より高い安全レベルでのMICE開催の方策について関係者が情報共有する機会として開催したものです。当日は、会場とオンラインあわせて参加333名、そして出展者や登壇者等を含め合計403名のご参加を頂きました。
 MICEにおける感染症対策に関する名古屋市健康福祉局の浅井清文医監の講演や、業界関係者による現状報告や対応などが紹介され、感染症対策に関する多様な商品を紹介する展示コーナーも併設され、関心を集めました。
 コロナ禍の影響が深刻化する中で、地元MICE関係者相互の連携を確認する場として活発な交流が生まれたことは、MICEの意義を改めて確認する機会ともなりました。
当日の講演会とパネルディスカッションの概略について、以下にご報告します。

日 時 令和2年7月22日(水)13:30~16:00
会 場 名古屋国際会議場 白鳥ホール
主 催 (公財)名古屋観光コンベンションビューロー
共 催 名古屋市
協 力 名古屋国際会議場(指定管理者:コングレ・名古屋観光コンベンションビューローコンソーシアム)
参加数 会場182名、オンライン151名
    登壇者+出展者+主催関係者70名 計403名
    (PCO、MICE施設、旅行、宿泊、運輸、大学、学協会、医療関係、流通、広告、イベント、行政・公共団体等)

開催報告
名古屋国際会議場 白鳥ホール
当日の映像(ダイジェストでご覧いただけます) 

開会挨拶

名古屋観光コンベンションビューロー 理事長 杉﨑 正美
 皆様のご協力を頂き短期間で開催にこぎつけた。新型コロナウィルスの影響は楽観できないが、MICEの回復に向けて今何ができるか、何をすべきか、皆様とともに学びMICE発展のキックオフとなればと思う。

開会挨拶
理事長 杉﨑正美

名古屋市長 河村たかし氏
 仕事が激減し筆舌に尽くしがたいご苦労があると認識している。名古屋市でも金融機関と協力して5年間返済不要という融資制度をつくったが、さらに充実させたい。商売を続けていけるように行政も努力しなければならない。

開会挨拶
名古屋市長 河村たかし氏

講演「MICEにおける感染症対策の注意点」名古屋市健康福祉局医監 浅井 清文 氏

▶COVID-19の特徴について
・感染暴露から3日ほどで感染性陽性となり、はやければ2日で発症に至る。
・症状が現れる2日前くらいから、ウィルスの排出がはじまり感染が拡がる。
・発症者のうち20%が感染伝播を引き起こす。
▶感染しやすい状況について
・三密環境に加えて、会話をしながらの飲食、大きな声を出す環境がとくに危険度が高い。
▶イベント緩和スケジュール
・内閣府のスケジュールでは、3週間おきに段階的に緩和する設定となっている。
・感染が拡大しているのは、10日前から2週間前のイベントが起因。タイムラグがある。
▶MICEにおける対策
・感染源を経つ(感染者を入れない)。
・体温チェックや問診では防ぎきれない。完全に持ち込みを防ぐのは難しい。
▶感染を起こさない工夫
・三密対策としての会場動線やレイアウトの工夫が必要。
・接触感染対策としての手指消毒。
・手袋に頼らず、消毒液を携帯し、こまめに手指消毒するのが重要。
・会話と飲食が同時に生じない工夫が必要。静かに飲食、マスクして会話するなど。
▶感染が生じても拡大させない
・COCOAプログラムなどの活用の推進(参加者追跡用)。
・クラスターを生じさせないために、3日以上連続する催事企画は避ける。
・同じコミュニティが集まる会合は、1週間以上期間を空けてから開催する。
・多人数会合への参加後は、7〜10日間は健康観察を行い、新たな会合に参加しない。
▶MICEの会期について
・安全を考えると会期は2日間までがよい。
・ポスターセッションは近距離で大きな会話が生じるので、避けたほうがよい。
・オーラルプレゼンテーションを中心にセッションを構成する。
・大会を春と秋に分けて開催するのもよい。

講演
名古屋市健康福祉局
医監 浅井清文氏

パネルディスカッション

・会議運営業界としてのガイドラインを策定した。
・コロナ対策のために会議開催コストが増大することが運営にとっての悩み。
・オンライン会議の特性であり限界は、一方通行であること。
・リアル開催は、双方向コミュニーケーションの機会であることが最大の特徴。
・会議運営会社はMICEを陰から支えることに喜びを持ち、人が集まる素晴らしさを体感してきた。
・会議主催者においても、リアル開催へのニーズが高まっている。

パネルディスカッション
日本コンベンション協会
業務執行理事
宇佐美克之氏

・協会のガイドラインに基づき、各ホテルにおいて対策を進めている。
・対応マニュアルを整備し、ウェブサイト上で動画などにより紹介。
・名古屋ではシティホテル稼働率は4月以降9割減に落ち込み、出口が見えない。
・宴会需要の回復を図るために、提供内容と方法の刷新に努力していく。
・提供料理は、ブッフェスタイル料理から個々盛りに変更した。
・宴会場では、これまでの収容人数を見直し、3~6割減の定員としている。
・名古屋マリオットアソシアホテルでは、立食は6割減、シアター形式は5割減、着席スタイルは3~4割減とした。
・ロビーや通路でもソーシャルディスタンスについて注意喚起している。
・喫煙所は利用人数を制限している。
・会場備品の消毒を徹底。

パネルディスカッション
日本ホテル協会
中部支部
任田正夫氏

・これまでの感染症と違い、今回は全世界が影響を受けている。
・現時点で国際会議を開催できる国はひとつもない。
・来年夏以降からフェイストゥフェイスの国際会議ができるよう準備している。
・オンラインにより会議参加者が増える傾向。
・バーチャル会議は、主催者、参加者、スポンサーが満足するものが求められる。
・バーチャルの弱みと言われるネットワーキングも、新たなサービスが続々誕生。
・国として追跡システムを運用し入国者を把握することが、国際会議のリアル開催に重要。
・参加者がいかに安全と思えるかが一番重要。危険な国では参加者が集まらない。
・オンライン、ハイブリッドに伴い重視されるのは、会場のネット環境の充実。
・コロナ以前からオンライン会議への関心が高まっていた。
・今後はハイブリッド開催がメインと思われる。
・年一回の大会ではなく、短いスパンでウェビナーによる研究発表が主流になる。
・リアル開催のためには、開催地へ行く理由が重視される。
・ワークショップ、ソーシャルイベントなどインタラクティブなセッションが必要となる(例:最先端の病院施設見学などフィールドトリップの充実)。
[業界の役割]
・世界が向かっている方向について学ぶ必要(多様なウェビナーにより提供中)。
・安全安心を担保するために、業界が一つになって情報共有することが大切。
・今回のコロナ禍で日本のITインフラの遅れを実感した。バーチャルでできることをより理解する必要があり、そのためにITリテラシーの底上げを図ることも必要。
・デスティネーションのPRもさらにオンラインの活用を。バーチャル上でいかに開催地を巻き込むかが課題。
・国際団体の事情について理解する必要。キャンセル料請求により国際会議事務局の多くが経営を圧迫されている。
 次回開催を条件にキャンセル料を免除するなど、双方がウインウインとなる関係になることを期待。

パネルディスカッション
International Conference Services
日本オフィス代表
池園仁氏

・会場使用には、参加者名簿作成、検温の実施、マスク着用などが求められる。
・来場者は、マスク着用、体調管理、体調判断による参加取り止めなどが求められる。
・施設側は、パブリックスペースの管理、換気などが求められる。
・ステップ2の段階における施設定員は、定員の半分に加えて座席間1m確保する。
・今回の会場の受付と出入口は一方通行とし、サーマルカメラによる検温を実施
・受付にて名刺をいただき、入場者数の確認、および連絡先の把握を行っている。
・登壇者は各自専用のマイクを使用し、使用前に手指消毒を徹底。
・登壇者同士の間隔が確保できない場合には、アクリルパネルを設置する。
・展示ブースは仕切パネルを配し四方から見学可とすることで、密集を避ける。
・交流ゾーンと飲食ゾーンを分けることにより、懇親会レイアウトを提案。
・受入施設、MICE主催者、参加者に共通する心がけとして、
 ①感染予防、拡大防止につながる誠実な行動の実施、情報共有
 ②「これくらいならだいじょうぶ」という過信を排除   
 ③ガイドラインの遵守を行い、個々の取り組みとして実行すること
 以上がMICEの早期回復に繋がると考える。

パネルディスカッション
名古屋国際会議場
企画営業Gマネージャー
丹羽礼子氏

・コロナ禍により会議場、展示場とも大きな影響を受け、年度前半の催事は、中止、延期、オンライン開催に変わった。
・市中感染の広がりを意識すれば、オフィスや、レストラン、ホテル、会場など様々なところに感染リスクが潜んでいる。
・今後様々な場面でウィズコロナを意識して、感染予防、感染症対策を施していくことが必要であり、目前に迫ったリスクに対応していくこと
 が今後経済活動を継続していくための大きな課題。
・そうした状況下で。一つの挑戦として「感染症対策総合展」を開催する。
・MICE開催をためらう主催者が多い中、安全安心に配慮した形で「感染症対策総合展」を開催する。
・行政が率先してMICE開催のモデルケースを提案するとともに、幅広い業種を対象に感染症対策の商品やサービスを一堂に紹介する意義は大き
 いと考える。
・ネットで探せばいろいろなものが見つかるが、まとめて現物をみることは難しく、感染症対策について何をどうすればいいのかわからないと
 いう方々も多いと思う。
・感染症対策に係る何かしらのヒントを得ていただき、感染症対策を施した経済活動を続けていただくことに貢献することが開催目的の一つ。
・MICEが経済に与える影響は大変大きく、これを早期に回復させることが最も重要であり、そのために行政が率先して展示会を開催し、ウィズ
 コロナ時代のリアル開催のモデルケースを示すことで、MICE再開の足掛かりにしたい。そうして展示会などの開催気運を醸成していくことが
 もう一つの目的である。

パネルディスカッション
名古屋市MICE推進室
主幹 柳原貴人氏

閉会挨拶

名古屋国際会議場 館長 中谷 務 氏
・コロナ対策とMICE推進は真逆の方向、ブレーキとアクセルを両方踏むようなもの。
・どうしたら良いか我々にとっては大きな課題。
・今回のイベントはひとつの実証実験。
・毎年10月ここで開催されてきた全国吹奏楽コンクールも今年は中止だが、それに変わる吹奏楽コンサートを実施したい。
・この上り坂を越えてMICEが再始動すると信じている。

閉会挨拶
名古屋国際会議場
館長 中谷務氏
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